Modern Times - San Diego, CA

Modern Times - San Diego, CA

アーティスティックかつどこかアウトサイダー的な世界観を持つブリュワリーModern Times。Stone BrewingでソーシャルメディアコーディネーターをしていたJacob McKean(ジェイコブ・マキーン)と、同じくStone で働いていたグラフィックデザイナーのAmy Krone(エイミー・クローン)、悪徳弁護士、非凡な醸造家達、コンブチャ中毒の不動産屋、高価な建築家などからなる最高のチームにより、2013年に設立された。
 ブリュワリー名は1851 年から1860 年代後半までニューヨーク州ロングアイランドに実在した、美しくも狂気じみたユートピア的コミュニティ“Modern Times”に因んでいる。そして、彼らのビールのほとんどは、実在した実験的ユートピアコミュニティか、あるいは架空のユートピア的コミュニティから名付けられている。
 Modern Timesのアーティスティックな魅力は、ブリュワリー/テイスティングルームやパッケージ製品のデザインにも現れている。広々としたブリュワリー施設の壁一面にはポストイットノートで制作された巨大なマイケル・ジャクソンと猿のバブルス君の絵が飾られ、反対側の壁には一面にアメコミの表紙が飾られている。そのコミックも「ゴーストライダー」や「モービウス」などの一匹狼的なアンチ・ヒーロー物がほとんど。テイスティングルームのカウンターは膨大な量の書籍の上に載せられており、マーチャンダイズは本棚の中に古書と一緒に陳列されている。天井からはLED ライトと球状になった枯れ草で出来たシャンデリアがぶら下がっており、醸造所というよりはアーティストの隠れ家/ネバーランドといった雰囲気。
 そんな彼等が作るビールも当然ながら一筋縄ではいかない。香り高く複雑、風味豊かで飲みやすいビールづくりを心がける彼等だが、既存のカテゴリーのよいところをマッシュアップして新しいものを造り出すハイブリッドスタイルのビール得意とする。ダブルIPAのようなアンバーエール、ホッピーなウィートエールなどスタイルの枠を押し広げる作品を世に送り出している。
 さらに、Modern Timesはビールだけでなくコーヒーもこよなく愛しており、Jacobは「コーヒーは創業当時からModern Timesの大切な要素だ」と語る。ビールの副原料としてだけでなく、美味しいコーヒーを生み出すためにもコーヒー豆をローストしており、Amyをローストマスターに任命しているほどの力の入れようである。ローストしたコーヒー豆は商品としてウェブサイトやテイスティングルームで販売されており、毎月コーヒー豆を自宅にお届けする「Coffee Subscription」というサービスも行っている。
 初年度に2,000バレル(約234キロリットル)だった年間生産量は、2014年には9,600バレル(約1,120キロリットル)、2015年には19,000バレル(約2,220キロリットル)に急成長。そのユニークな世界観と素晴らしいビールをもって、Modern Times中毒者を増やし続けているのである。