Modern Times - Orderville

Modern Times - Orderville

モダンタイムス

オーダーヴィル​​​​​​​

 

 Modern Timesの定番IPA。Mosaicホップ、そしてdank(注1)なニュアンス溢れるいくつかのホップを投入して醸造されるのがこの“Orderville”。ホップのフルーティーなキャラクターが前面に押し出されているだけでなく、何とも形容し難い独特なホップアロマが飲み手の体の中を駆け抜ける。西海岸ではあまり見られないタイプのイングリッシュ酵母を使用しており、ウエスト・コーストスタイルのIPAとは一線を画す酵母由来のフルーティーさが表現された作品。
 名称の“Orderville”とは、アメリカ西部ユタ州にある町の名前。1875年、“自然ないし自然的なものを人間的価値の規準とする”人々の集まりが、United Order(注2)の生き方を実現するために設立された町であった。このコミュニティーの人々は全員が同一賃金で労働し、全員が同じ食事をとり、平等主義を実現することでユートピア(理想郷)の完成を目指していた。もともと限定醸造のウェットホップIPAがOrdervilleと呼ばれていたが、Modern Timesがこの名前を気に入ったためこの定番IPAにOrdervilleと名付けたとのこと。
 グラスに注ぐとく霞みがかった黄金色に真っ白なヘッドが乗る。アロマはベリー、ピーチ、ストーンフルーツ、パイナップル、パパイヤ、メロン、そしてたっぷりのdank(注1)なニュアンス。味わいはジューシーなトロピカルフルーツが弾け、クラッカーに似たドライなモルトをバックボーンに松の苦みが舌を刺激する。フィニッシュはホップのスパイシーさと青々しい苦みが長く残る。
 その濁った見た目から“New England Style IPA”や“Vermont Style IPA” などと呼ばれる東海岸スタイルIPAと思われがちだが、味わい自体はウエスト・コーストスタイル寄りであるため、誤認識しないようご注意。独創的なハイブリッドビールを生み出すModern Timesならではの、さしずめ東西折衷といったところか。

注1) ビールの香り・味わい表現の1つで、マリファナのような独特なニュアンスのことを表す
注2) キリスト教における集団主義および共産主義的な思想。資産や持ち物は特定の人に帰属せず、あくまで自発的にシェアされていた。一個人や一家族に有り余るほどの資産は教会を通じてより不幸なものに分け与えられた